青森山田高校サッカー部 公式サイト

青森山田高校サッカー部
監督 黒 田  剛
大学生に求められる行動
 高校サッカーの指導者たちが毎年多くの選手を送り込む大学サッカーという大きな道には、『無限の可能性』が広がっている。世間一般には高校サッカーほどの華やかさは感じないかもしれないが、現在の大学サッカーはJリーグ並みの立派な施設や充実した指導環境が整えられ、その上、所属選手はレベルの高さを誇る時代である。毎年高校チームやユースチームを全国的にリクルーティングし、選手の補強を活発化させてきている。サッカー部に多額の資金を投入し、大学のイメージアップや広報活動、学生募集など、経営戦略の一環として強化に力を入れる大学が急増しているのだ。選手達はその充実し恵まれた環境の中で逞しい成長を遂げるとともに、4年間かけて磨き上げられた忍耐力と経験値は、Jリーグの即戦力として大いに期待されている。  ただ一つ問題に思うことは、大学と高校は勉強する場としての共通点はあるものの、根本的に違う体質のものであるということを理解していない高校生が多く、高校の延長線的な考えや、プロに行けなかったからやむを得ず大学を選択するなどという、安易な考えで進学し、結果として失敗しているケースが多いということである。高校時代は、日々の生活からしっかりと指導管理され、プレー面や生活面において悩み行き詰っても、指導者が即座に軌道修正を促し、進むべき道に導いてくれる。もちろん生徒には自立や自己責任を促すよう指導はするが、日本の18歳は、まだまだ子供である。入学時に掲げた夢や目標に少しでも近づくために『指導者の情熱』で果敢にコントロールしながら、次のステップに向けての活力を養える環境作りを繰り返し行っているのが現状ではないかと思う。  大学時代は少年から大人への移行期で、自分を取り巻く環境も少しずつ変わってくる。アルバイトの収入や奨学費、保護者からの仕送り等、人によっては高校時代とは比べものにならないほどお小遣いが増える。子供の学費を稼ぐ親にとっては怒涛のような4年間を過ごすことになるが、当人はそんな親の苦労も分からず、結構リッチな生活を送っている。そんな親不孝なケースも少なくない。高校時代にサッカー指導や生活面、そして進路面までお世話していただいた先生方の期待や、子供の学費確保のために必死に働いている親の気持ちを深く考える余裕もなく、周囲からの様々な誘惑や娯楽の魅力に簡単に流され、自分自身を見失っている学生が多い。管理された環境から解き放たれ、『自由』と『いい加減』をはき違え、入学当時のサッカーに打ち込む意欲や大学指導者からの期待をも忘れ果て、なんとなく平和に在籍しているという『信念の弱いぶらさがり選手』が、部員の半分以上いるのではないだろうか。  大学で生き延びる選手は、自らが24時間365日をしっかりとコントロールでき、高校時代に学んだ精神や物事に取り組む姿勢を高い意識で維持できる事が重要だといえる。自らが描く夢や目標のレールを多少踏み外しても、的確な自己分析を通して軌道修正することができる自立した強い信念が必要となる。周囲から評価されない自分の現状を指導者のせいにしたり、いつも現実から逃れようする者、そして大好きなサッカーをやれている現実に対し周囲に何の感謝もない者は、結局何をやっても中途半端で成功しない。  本校サッカー部から大学に進学した卒業生や大学を卒業後に就職した卒業生の中には、私に電話をくれる者がいる。その多くは、「高校時代に教わったことが、今とても活かされています。改めて感謝しております。ありがとうございました。」という非常に頼もしいメッセージだ。指導者としてこの時ほど嬉しいことはない。私の厳しい指導方針を、素直に受け取ってくれたことに『ありがとう!』と言いたい。  大学生諸君に伝えたいことは、大学4年間は将来社会で活躍するために自分を磨き抜く訓練期間であり、思い通りにならない状況が多いということ。同年齢でも人それぞれ巡ってくるチャンスのタイミングも違うし、挫折のタイミングも違う。どんな立場や状況に立たされても、自らが『試されている』という前向きな思考を持ち、日々自分に足りないことを模索し続けるとともに、積極的に正解を求めていって欲しい。タイミング良く偶然得た結果よりも、求め続けるその行動自体が十分評価に値するのだ。どんなに辛い時も腐らないで欲しい。自分らしさや輝きをもって生活して欲しい。行き詰まりの現状は、自分自身の選択・行動から起こっているものと自覚すること。そして、今までどれだけの大きな支えがあり、自分が存在しているのかということをもう一度考えて欲しい。本気で求めた者だけが知ることのできる道が必ず存在する。  『今の勝者』は『将来の勝者』ではない。今の時代、強いて『ウサギ』と『カメ』の『カメ』を目指せとは言わない。だが『ウミガメ』のように海を渡り、『ガメラ』のように空を飛ぶ工夫と努力は日々忘れないで欲しい。  人は本気で求めれば、いつどこからでも成長できるのである。
2014/10/01 14:42
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