青森山田高校サッカー部 公式サイト

青森山田高校サッカー部
監督 黒 田  剛
近年の子供達に思うこと
 私は青森山田の監督に就任して20年目を迎える。現在の子供達と20年前の子供達を比較すると、時代とともに大きく損なわれてきたものがみえる。  競争の時代に生まれた現在の子供達。しかし、時代の流れに反し、競争を好まない子供が増えてきた。『ハングリー精神』がなかなか表面に出て来ない。ゆとり教育がもたらした弊害なのかもしれないが、不便を感じない日々の生活環境がこの時代を覆い尽くし、自立とは程遠い悪い生活習慣が子供達の中に浸透してきた。我慢や辛抱することにストレスを抱き、一つのことに信念を持って集中し、継続して取り組むことのできない飽きっぽい子供が増えた。欲しい物は何でも容易に手に入れ与えられてきた。そして、時代は高いクオリティーのパソコン、ゲーム、携帯電話などを生み出し、一人で楽しく遊べる機器が子供の友達になってきた。子供達の生活は、20年前では考えられない方向に向かっている。山や海、川や公園で遊ぶ小学生が激減し、グループよりも一人で過ごす時間を楽しむ子供が急増した。子供同士の喧嘩を大人が解決し、身の回りの世話までも大人がやってしまった。『全ては子供の為に』のはずが、現実問題として、子供から自己発見能力と自己改善能力、そして自己判断力、生きる力を奪ってきた。  青森山田高校サッカー部の名は2000年のインターハイ、選手権の3位入賞を境に全国に広がり、遠方からも高い志をもって本校の門を叩く選手が急増した。その要因として、各種大会での活躍はもとより、21名の卒業生Jリーガーの輩出、有名大学への進学実績、さらに外的条件として交通機関の発達などが挙げられる。120名を超える部員の中には、現実的な目標よりも夢を追い求める子供が増えてきている。確かに、現代の日本にとって、夢を追い求める子供が増えることは悪いことではない。だが、忘れてはいけないのは、現代の選手の『ハングリー精神』は20年前より低下してきたが、『夢を追う』子供は増加してきたという事実である。このアンバランスな現象が、現代の指導現場を難しいものにしている大きな要因ともいえる。我々は、今の時代を頑張る子供達に対し日々どのように向き合い、どのように指導育成していくことが望ましいのか。指導者達が『現代における指導育成方針』を早急に構築していく必要性を感じる。  さらに近年、『頑張り屋』は多く存在するが『努力家』が少ないという事実も気になる。もちろん勝負の場として本校を選択した選手達が、日々のトレーニングにおいて全力で頑張っているのはよく見る。しかし、『努力』というものは、自分のウィークポイント(短所・苦手)としっかり向き合い、日々の自己鍛錬の中で克服していくものである。ストロングポイント(長所・得意)ばかりに偏ったプレーヤーが多く、数年後選手達は、残念ながら『限界』という世界に行きつく。ウィークポイントと向き合うことにストレスを感じ、自ら目を瞑るという『楽』を選択して、現時点で通用している自分の姿に酔いしれ満足している時、既に停滞は始まっているのである。ウィークポイントがストロングポイントの邪魔をして、思うようにプレーが出来ない時期が必ず来る。気付いた時にはもう遅いというのが現状である。 高校3年間は長いようで短い。何でも手に入れ与えられる時代に生まれた彼らのために、あえて『我慢』や『辛抱』を与えていきたいし、良い習慣を築かせてあげたい。『自己発見』と『自己改善』の力を育てたい。『努力』の魅力を教えたい。試合の勝ち負けはもちろん重要だが、急速に変わりゆく社会に自らの力で立ち向かっていける精神や心を育むことは、もっと大切なことだと思う。
2014/04/09 13:46
30
前月←   2024年4月  →次月
123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930
セレクションのご案内青森山田中学校サッカー部体験練習会サッカー部に関するお問合せ保護者用ページ青森山田オンラインショップ青森大学青森山田高校青森山田中学校UNDER ARMOURJALマルイチ横浜サングループCLASTYBuild94NORMワイズ小松整形外科 スポーツクリニック青森GOAL花田ふとん店公式インスタグラム
Copyright©Aomori-Yamada High School Soccer CLUB. All Rights Reserved.