青森山田高校サッカー部 公式サイト

青森山田高校サッカー部
監督 黒 田  剛
雪国のサッカーは原点が違う
 2014年12月31日、6年振りの初戦敗退。チームの誰もが受け入れがたい現実と共に終った我々の全国高校サッカー選手権大会。夢の舞台は年を越すことなく終了した。やはり一年間を通して不安視していた幾つかの要因が具体的な形となって現れてしまった。これがチーム作りの詰めの甘さであり、弱さなのであろう。この屈辱をもう何年味わったことであろう。毎年、毎年、何年やっていても、共に歩んできた可愛い教え子達の高校サッカー最後の瞬間は、本当に言葉では言い現せないほど辛いものである。胸が苦しく、選手に掛ける言葉も思いつかない。敗戦の瞬間、全く気持ちを切り替えられず、放心状態の自分をそこに見い出す。こんな心臓に悪い仕事を毎年よくも続けられるものだと自分でも不思議に思うが、きっとそこには全国約4200校の参加チームによって高く積み上げ広げられた『夢の山脈』があるから、何度失敗しても、何度涙を流しても登りたいし越えたいのだろう。  高校サッカーの監督として20年、この全国高校サッカー選手権大会でチームの意図する結果を得るということが、ここまで思い通りにならないものなのかと、出口の見えない『暗黒のトンネル』に入り込んでしまった心境である。選手達は最後の最後まで本当によく頑張ってくれた。そんな彼らの三年間の努力に敬意を表し、心から感謝したい。三年間あらゆることに辛抱し耐え抜いた彼らの将来は、誰よりも明るいものであることを確信するとともに、そう願わざるを得ない。  12月30日に行われた開会式での本校の一糸乱れぬハツラツとした入場行進は、誰が見ても間違いなく一番輝いていたし、観客にも感動を与えた。多くの指導者や選手も特に重要視しない入場行進を、どのチームよりも完璧にやり遂げることの意義を、彼らはこの三年間の人間教育の中で学び、その素晴らしさを肌で感じてくれたと思う。  一年の3分の1は雪で覆われる青森市。冬期間、サッカーゴールは半分以上雪で埋もれている。年始から全国各地で普通にサッカーをやれるチームがたくさんある中で、雪国の選手達は、心に焦りを感じながらも思いっきりボールを蹴れる春の訪れを待ちわびているのである。厳冬の期間、青森山田の選手達は、ごく普通の生活空間や練習スペースを確保するために、毎日寮やグラウンドの雪掻きに追われている。誰もがこんな作業をする為に本校に入学した訳ではないと思うが、確実に成長は感じられる。初めはスコップの握り方も知らず、雪とは無縁の地域から来た除雪経験のまるでなかった選手達が、カッコよく長靴を履きこなし、雪掻きチームの戦力として勇ましい『雪国っ子』に成長していく姿は、まさに青森山田の風物詩そのものである。  日頃、私たちが当たり前のようにサッカーがやれる環境は誰かが与えてくれたものであり、そこに感謝の気持ちを示さなければならないことは、常に選手達に言い聞かせている。一年間常に環境整備を行うと共に、生活環境や練習環境を大切に保持していくことは当然のことである。厳しい環境であればあるほど人は成長できる。人に頼らず、自分に甘えず、知恵と工夫と行動をひたすら磨いていくことが、社会で役立つ『思考力』や『実践力』を身につけることに繋がっていく。  『雪国のサッカー』はある意味で技術より心の成長が原点である。ポジティブな思考で雪を上手く利用し、雪と共存できる心が育まれたのなら、雪国でしか習得できない『人間的魅力』と『精神的パワー』つまり『未知の力』(ゆきのちから)を手にすることができる。
2015/01/21 08:04
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