今回部員ブログを担当させて頂く事になりました法学部4年上島拓巳です。今回のブログでは自分の軸や価値観を固めてくれた経験について書きたいと思います。せっかく機会を頂いたので長いですがお付き合い下さい。
私は地元の少年団やトレセンでは生粋のストライカーで王様でした。小さな大会でコーチがチーム内MVPをGKの友人に指名したのに、絶対俺だろと友人からメダルを奪い取ってしまうくらい王様でした。
しかしレイソルに小4で入ってから中学まではやる気だけが取り柄な凡人に成り下がりました。(ここまでは本当によくある話、話の入りです。)
高校で身長が遅れて伸びてきて自分自身にDFとしての期待を抱き始めた時、ある試合で現浦和レッズDF(当時はヴィッセル神戸ユース)の岩波拓也選手の低くて速くて真っ直ぐな弾道のフィードに衝撃を受けました。この試合をキッカケに、身長を生かした(才能)ヘディングと、練習しまくった(努力)ロングフィードの2枚看板で勝負していこうと決意しました。
それから練習の1時間前に自主練の相方とロングフィードを蹴り、練習が終わった後も1時間以上蹴り続けました。ボールの蹴りどころ、蹴り足の向き、身体の使い方、軸足の位置など研究しまくりました。
しかし私にはセンスが無いので全くと言っていいほど上手くなりませんでした。いや、一時的に良いキックが蹴れても、次の日になったら明後日の方向に飛んで行ってしまうのです。誰よりも蹴っているのに、自分が一番下手でした。
(ターニングポイントの到来)
ある日いつも通りキックの練習をしている時、激しい自己嫌悪と妄想が頭をよぎりました。
「何で俺はこんなに練習しているのに、一向に上手くならないの?
みんなにタクミあんなに練習してるのに、マジずっと下手じゃね?って思われてないかな?もう自主練やめたらタクミは練習してないし下手なのは当たり前だからしょうがないってならないかな?」
こんな考えが湧いてきました。そう、セルフハンディキャッピングです。セルフハンディキャッピングとは、あえて自分自身で悪い状況を作り出し、失敗した時の言い訳にし、自尊心を守るというものです。その時はそんな言葉など知りませんでしたが、キックの自主トレをやめるという行動で本能的に自分自身を守ろうとしていたのです。
しかし、やめなかった。
「何て思われようと関係ないよね。いずれ誰よりも上手くなれば良いよね。」
そう自分に言い聞かせて練習を続ける事にしました。
当時は本当に苦しかったです。良い感じって思っても次の日には振り出し。今週良い感じって思っても次の2.3週間意味分からんキックになってる。2ヶ月良い感じで自分のものにした!!って思ってもいきなり感覚を忘れてゼロになる絶望感。キックの調子が日々の生活のテンションにも影響していました。
しかし良い感覚の期間が長引いている事に気が付きました。
そしてサッカーノートを通じて、良い時の感覚、悪い時の感覚が言語化されて整理されていくようになりました。
練習したての時は、軸足の位置や手の使い方など意識していましたが、それが無意味である事にも、多くの失敗を通じて学びました。今では3つの意識すべきポイントを確立する事が出来ました。(企業秘密。)
今でもたまにイマイチだなって思う時期が現れますが、3つのポイントを思い出し、壁に向かってボールを蹴り、会話をすればすぐに元に戻ります。
これからサッカー選手として生きていく上での武器を一つ身に付けることが出来ました。
私はセルフハンディキャッピングという無意識な防衛本能を誰しも経験しているのではないかなと思います。
あえて本気で練習しない、自主トレしない、怪我から復帰しない、テスト勉強しない、好きな子に話しかけない、告白しない、本気を出さずに結果をあいまいにしておけば、とりあえず傷付くことはないということです。
ですが冷静に考えて本気を出さないというハンデを自分自身に課す事にメリットはありません。
そして「お前の顔を気にしているのはお前だけ」という言葉があります。みんな思ってるより他人の事は見ていないのです。結果が出なかったり、周りよりも劣っているその瞬間はとても辛いです。いらぬ妄想も出てきます。しかし自分自身にハンデを課す事にメリットはありません。2回目です。
まだ21年しか生きていませんし、サッカーで大きな結果も残せていません。ただ、サッカーを通じて私が学び、確立した価値観の一つはこれです。
私自身もブログを書きながら色々思う事がありました。何事にもハンデなんて課さないで、周りの目なんて気にしないで全力でぶつかります!ぶつかりましょう!
何か少しでもこのブログから影響を与えられたら嬉しいです。
最後までお読み頂きありがとうございました。