韓国での思いやり(監督 末岡龍二)
「末岡さん、パスポートを失くしました。どこを探しても見つかりません。」
出発日当日の朝、こんな感じで韓国遠征がスタートしました。
昨年はシンガポールへ行き、今年は韓国。私が海外遠征を積極的に企画する理由は、結論から言うと部員に「人生を豊かにし、幸せになってほしい」からです。パスポート紛失事件からはじまり、現地ではバスが故障して高速道路に立ち往生、グランドのダブルブッキング、言葉が通じない、ハングル読めない、やたら辛い、、、などなど非日常を肌で感じることで人は適応しようとします。そうすると人として幅が広がり、優しくなり、皆から愛され、人生楽しくなるという理屈です。海外経験だけは豊富な私ですがたいして人から愛されていないやんというツッコミは置いといて、部員の記事を見ているとわりと楽しく刺激があったみたいで安心しています。
現地ではコーディネーターのカンさんと韓国人留学生(サッカー部員)ソンミン家族のサポートには圧倒されました。カンさんの「カントク〜、スケジュールコウシマショウカ?」の的確さ、ソンミン家族は1週間仕事を休んで荷物の運搬から焼き肉全員分ご馳走などなど、日本人の平均値を間違いなく凌駕する「オ・モ・テ・ナ・シ」をしてくださいました。韓国を楽しんでほしい、好きになってほしいという気持ちがぐいぐい伝わってきて、近すぎるくらいの人と人との距離感がとても懐かしかったですね。ソンミンのお父さんとは言葉が全く通じない中、チャミソル(韓国の焼酎)を乾杯するだけで心が通じ合った気がします。普段部員に伝えている「REACTIONではなくACTIONであれ」をオフザピッチで体現してくださいました。
7月に北マリアナ諸島代表を松山に招待した時、カンさんやソンミン家族のようなオモテナシはできなかたったなと反省すると同時に、ある学生が最近言葉にしていた「思いやり」というフレーズが頭によぎりました。どんな国、どんなスポーツでも「思いやり」は共通で、それがベースになりその上に個性を乗せるべきだなと。。。
今回の韓国遠征において、近畿日本ツーリスト様のご協力、そして保護者様のご理解大変感謝しております。昨年シンガポール遠征を経験した上級生の部員は今回の韓国遠征では余裕があるように感じましたし、初めての海外遠征になった部員も今後の人生に於いて貴重な経験になったと確信しています。様々な理由でこの遠征に帯同できなかった部員がいますが、これからいくらでもチャンスがありますし、また彼らの人生が豊かになるようサポートしていきたいと思いますので今後とも聖カタリナ大学サッカー部をよろしくお願いいたします。
聖カタリナ大学サッカー部監督 末岡龍二
写真1.ウェストハムユナイテッド・アカデミーに留学(当時24歳)
写真2.タイプレミアリーグ バンコクユナイテッド
写真3.AFCカップ@オマーン
写真4.AFCカップ@インドネシア スマトラ
写真5.ブータンキングスカップ
写真6.インドフェデレーションカップ優勝
2019/09/10 22:22