『自分の強み』/沼田晃季
経営学部マーケティング学科2年生の沼田晃季です。私が尊敬している戦略家の森岡毅さんの言葉をかりて、「自分の強み」をより理解していく為の考え方を皆さんと共有したいと思い、ブログを書きました。拙い文章ではありますが、読んでいただけると幸いです。
人は家庭でも学校でも会社でも自分以外の誰かと比べてばかり。悲劇的なのは、誰よりも自分自身が他人と比べてばかりいることだ。
他人との相対比較ばかり強調される人生で、それが自分の中でもクセになっていて、優越感や劣等感をガソリンにして生きていくことが次第に当たり前になってしまう。その結果、自分の中にある「宝物」が見えなくなっている人が多い。
今の自分を肯定することから見えてくるものがある。それをこれからじっくりと考えてみよう。**成功は必ず人の強みによって生み出されるのであって、決して弱みからは生まれない。**その成功を生み出す力こそが、君の「**宝物**」だ。
一度は考えてみて欲しい。
これまでの人生、成功した君を支えてきた「宝物」は何だろうか?
「宝物」はすべての人が持っている。自分の宝物は他人と比較できない。自分の今を肯定したときに、その今をつくり上げてきた自分の中での相対的な特徴(強み)を宝物と定義している。
つまり、特徴のない人はいない。例えば、ある人は「人とすぐに仲良くなることができる」という宝物を持っているし、また別の人は「コツコツと粘り強く努力を積み重ねることができる」という宝物を持っている。
**同じ特徴が「宝物」になるか、弱点になるかを決めているのは文脈である。**「空気が読めない!」と言われている人が別の文脈では「場に流されず自己主張がしっかりできる」という宝物になる。自分を一度すべて肯定しながら、自分の特徴としての凸凹の際立った凸を探すことが大事になる。臆病者も、サイコパスも、文脈次第で宝物になるのだ。逆にその凸も、文脈によっては凹に変わるから気をつけなくてはいけない。
つまり、**キャリア戦略とは、その人の目的達成のために、その人が持っている。W特徴Wを認識して、その特徴が強みに変わる文脈を探し泳いでいく、その勝ち筋を考えること**だ。
今までの高校や大学の君の周囲には、君のような、あるいは君から見て君よりもW考える事が得意Wに見える人たちも多くいるだろう。だから君は自分の宝物が明確に見えなくなっているのかもしれない。でもこの宝探しのルールは、外との比較ではなく、君の内側での凸凹比較だ。内側にある飛び出した特徴を探すと、やはりW考える事が得意Wなことは、君にとって大切な「宝物」なのではないだろうかと思う。
そこで君に考えて欲しいのは、**君の人生における時間の使い方として、その宝物を必死に磨くよりも大事なことが他にあるだろうか?**ということだ。
宝物を磨くことは、最終的に何を意味するか?自分の中の特徴探しは他人との比較ではないと言った。しかしながら社会的評価が君の活躍の舞台や経済的なリターンを決めていくことになる。**最終的には同じような強みを持つ人たちと比較される中で、相対的に秀でていがなければならない**のだ。だから、宝物はめちゃくちゃに頑張って磨かなくてはならないのだ。
SMAPの大ヒット曲「世界に一つだけの花」の歌詞は、半分だけ正しいと思う。確かに誰もが、Wもともと特別なonly oneWだと思う。しかしキャリアを考えるならば、大切なもう半分の視点も必要になる。それは、花屋に咲いていた綺麗な花は、すべて相対的に勝ち残ったスターであり、それまでに間引かれたり商品化できなくて処分されたりした多くの花たちがいたという現実だ。**only oneとは、ある文脈においてNo. 1を指す**ことを忘れてはならない。花も人も相対的に競争をある程度勝ち残らないと、商品や労働力としても買ってもらえないのだ。
自分が選んだ環境の中でNo. 1を目指さなくても良いような、もともと特別なonly oneな人はいない。宝物を磨きに磨いて磨きまくって自分の目的に近づけていかなければならない。その競争においては、負けや挫折や凹むことの頻発からは誰もが逃れられない。負けることがあってもいいのだ。しかし長い目では競争に勝ち残っていかなければならない。
最後に少しだけ矛盾したことも言っておく。宝磨き競争をしっかりやることが板についた頃に、君はきっと、競争している本当の相手は実は他人ではなく、自分の中にある自己保存の本能だったことを実感するだろう。一周回って、やはり内なる声を聴いて「軸」と「宝物」が、他人との競争よりも一番大事だとわかる日がきっと来ると矛盾しておく。
2023/07/04 08:05