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『価値』/谷口登爽
日本体育大学柏高等学校出身、法学部4年の谷口登爽です。

引退ブログということでサッカー人生の振り返りを書こうと思ったのですが、骨折や手術の話ばかりで面白くないので今年1年間感じたことを書きます。

正直言って今年は、自分の選手としての価値を見出すことのできない1年間でした。

2525年11月15日の最終節を今後2度と忘れることはないと思います。19年間のサッカー人生の中で1番悔しかったし、生まれて初めてサッカーで泣きました。その瞬間は4年間やりきったというよりも、苛立ちや不甲斐なさの感情の方が大きかったです。

3月に韓国遠征が終わり、コンディションが上がっていた中、骨折してしまい関東の開幕に間に合わないことが決まりました。2ヶ月で前期が終わる今年のレギュレーション的に出場できる可能性は限りなく低いとわかっていたため、後期の試合で活躍することを目標として練習に取り組んでいました。

7月、8月と練習試合を重ねていく中で調子良くなってる実感はあったし、高橋悠が怪我で不在の日は1本目で出場したりと、当時は関東リーグでプレーするイメージもできていました。ちあいと毎日のように俺がアシストするからクロス全部飛び込めよと会話した日々が懐かしいです。

そうして始まった後期開幕戦。
メンバー表に自分の名前はなく、ベンチ外でした。1週間前に行われた川上村合宿に参加できなかったことが理由だと言われましたが、紅白戦しかやってない遠征を理由にされることが納得できませんでした。後期開幕戦で試合に出て結果を残すことを常に考えていましたが、メンバーにいてもいなくても変わらない、戦力として見られていないという現実を突きつけられたような気がしました。結局その試合は安藤優羽が関東デビューで存在感を示し、そこからは完全に序列がベンチの2番手になりました。第2節からベンチに入るものの、WBの交代で1番最初に呼ばれるのは毎回安藤、僕の名前が交代で呼ばれることはありませんでした。それでも逆サイドの直也に代わって出れることを期待してアップしていましたが、交代するのは本職ではないCBやFWの選手。自分がベンチに入っている意味がわからなかったし、選手として全く信頼されてないことを痛感しました。「今週はこいつを試してみよう」でスタメンに抜擢される選手がいる中、自分はその対象にもならない現状に嫌気がさしていました。厚さんからは「申し訳ない」、「4年生の力が必要」という言葉を毎試合のように言われていましたが、謝るくらいなら俺使えよと思ったり、自分が出てない試合でチームが勝っても嬉しくなかったです。チームの雰囲気が良い中、4年生にもなってこんなダサいこと思ってました。みんなごめん。

それでも20節の東京学芸戦でWBの控えが自分しかいなかったこともあり、後半25分から出番がありました。間違いなく4年間で1番気合が入ってました。点を取ることはできませんでしたが、決定機となるシュートを打つなど、気持ちを見せることはできたと思います。試合後星太から「お前のプレー可能性感じたし、良かったよ」と言われた時はちょっと嬉しかったです。

残り2試合は試合に出れるのではないかという期待とは裏腹に、次節の東京経済戦で出場したのは怪我明けの安藤でした。もうこの時点でチームとサッカーに対する気持ちは半分以上なくなっていました。最終節でもサイドの選手に膨大なスペースがあり、常に相手と1対1でチャンスが作れる試合展開なのにも関わらず、出場はありませんでした。ピッチ外でチームを引っ張る存在ではない自分がなぜトップチームにいるのか、こんなことになるならIリーグで1分1秒でも多く試合に出場したかったという思いを持つ1年間でした。

ここまで見ると、こいつネガティブなことしか言わないじゃん、なんのためにサッカーやってたのと思われたかもしれませんが、不思議とサッカーをやってたことに対して後悔はありません。
こんなにも感情の起伏が大きい瞬間は今後の人生でもうないと思うし、インドアで根暗な自分がここまで熱くなれるサッカーというスポーツに出会えて良かったと感じています。

最初はサッカーをすれば青学に入れるからという中途半端な理由で入部したけど、みんなと過ごす日々は本当に楽しかったし宝物です。高校でサッカーを辞めようと思ってた自分にとっては想像できないほど濃い4年間を過ごすことができました。毎日の練習、100円の時間ギリギリで入るトーコーキッチン、週3ペースで行ってたカラオケ、早く帰りたいのに誰も着いてきてくれない日々、全てが自分にとって宝物です。
みんな本当に4年間ありがとう!


お姉ちゃんへ

グラウンドに来る時は俺の応援じゃなくてイケメン探すのがメインだったけど看護師で忙しいのに来てくれてありがとう。
試合後のLINEくれたおかげで心落ち着いたし、嬉しかったです。

お父さんへ

表立ってサッカーを応援するタイプじゃなかったけど、実家に帰ると毎回サッカーの状況だったり調子のこと聞いてくれるの嬉しかったよ。私立の大学で一人暮らしまでさせてもらって不自由なく生活させてくれてありがとう。

お母さんへ

3歳から19年間もサッカーさせてくれてありがとう。小さい頃から怪我ばっかりして、何回も迷惑かけてごめんなさい。迷惑ばっかかけたけど常に味方になって前向きな言葉で応援してくれたおかげでここまでサッカーを続けることができました。週2回くらい電話で俺のこと気にかけてくれてありがとう。パートを始めてからなかなか応援する時間がとれない中でも、最後の2試合きてくれて本当にありがとう。試合に出て成長した姿を見せられなかったことがサッカー人生で唯一の心残りです。ブログじゃ書き表せないほどの恩を受けたのでこれからの人生で少しずつ返していきます。社会人になるまでの3ヶ月間は実家で甘えさせてください笑


長く読みにくい文章になってしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今の青山学院大学サッカー部にはサッカーが上手いだけではなく、可愛げのある後輩がたくさんいるのでぜひ応援してあげてください。
2025/12/16 15:43
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