『幸』/花村勇太朗
幸
「もっと自分の幸せを大事にすればよかった」
この言葉は多くの人々が人生の後悔として口にする言葉ランキング2位らしいです。
僕は「自分が幸せを最も強く感じる瞬間」とは何なのか真剣に考えたとき、大きくて賢いブラックバスとの駆け引きに頭と技術を存分に使って勝利し、釣り上げたときであることに21年間生きてやっと気がついた。幼い頃から釣りが大好きな僕にとって大きな魚を釣り上げた瞬間に湧き上がるなんとも言えないあの気持ちは他の何にも変えられないものである。
おそらく僕と同じようにどんな人にもそれぞれ「最高に幸せを感じる瞬間」があるが、それが何なのか気付かず人生を終える、もしくは気付いても環境がその幸せを追求することを阻む状態にいる人がたくさんいるのだと思う。
サッカーは団体スポーツであり、チームのために行動することを強く求められる。勝つためにはみんなと足並みを揃え、味方と協力することが大切である。日本では特に(サッカーも学校も)「人の為に自己犠牲を厭わない人間」が評価され、人と違った行動をする人間は浮く。
気付かぬうちに、サッカーをするにしても何をするにしても「人の為」が目的になっていることが僕含め多くの日本人に当てはまることだと思う。
しかし、人の為にサッカーを始めた人などいるだろうか。僕たちがサッカーを始めたのはコーチに褒められるためでもなければ、他人との競争に勝つためでもない。「自分が心から幸せに感じる瞬間がサッカーにあるから」だと思う。
その瞬間は人それぞれ違って、勝利した時にチームメイトと喜び合うことが幸せに感じる人も居れば自分が上手なプレーをした瞬間に感じる人、親が喜んでいる姿を見た瞬間に感じる人など多種多様である。サッカー部に所属しているが、サッカーとは無関係な場面に幸せを感じる人もいるかもしれない。
若くてたくさんの選択肢がある今、自分が最も幸せを感じる瞬間を探し、それを追求することが有意義なサッカー人生、学生生活を送る上で重要だと今の自分は強く思う。
2022/07/21 16:03