『再起』/ 松田駿
『再起』/ 松田駿
こんにちわ。法学部二年の松田駿です。今回部員ブログを担当させていただきます。
二年生になって、昼ごはんを先輩に奢ってもらうために「ねる」ことを覚えた一年生に奢らされて、奢ることがこんなにも嫌なことなのかと最近実感しています。この「ねる」という言葉はアミノバイタルで最高速度35.48km/hを記録し、カイル・ウォーカーと同じ速度で走ることができる和田晃生くんがよく使います。漢字にしたら「練る」で「練り歩く」という意味だと思うのですが、先輩を探すことがなぜ「練る」になるのか未だによく分かりません。それは今度彼に聞いてみることにします。そんなことはさておき、本題に入ろうと思います。去年初めてブログを書いたのですが、母親からもっと大学生らしいブログを書けないのかと指摘を受けてしまったので、今回はもう少し頑張って書こうと思ってます。
とは言っても、書く内容はこれしか思い浮かびませんでした。「第五中足骨骨折」。5月初めの練習試合で左足を強く踏み込んだ時に嫌な音が響いた。激痛が走って、プレーを再開しようとしても、足をつくことができなかった。次の日病院に行って伝えられたのは「第五中足骨骨折」と手術が必要で復帰まで少なくとも3ヶ月はかかるという事であった。これまで大きな怪我をした事がなかった私にとってはショッキングなことで、怪我してすぐはひどく落ち込んだし、無気力になっていた。初めての松葉杖をついた生活。練習には行けないし、日常生活でも色んな人の助けを借りないといけない。そんな自分が情けなく、思い通りに体を動かせないことに苛立つこともあった。松葉杖をついていた1ヶ月半ほどは絶対安静だったので授業があっても学校には極力いかずに家に籠るようになった。長い時間家にいて、ずっと考えていたことはなぜこうなってしまったのだろうかという後悔だった。本当は、怪我をする一ヶ月前くらいから受傷した患部に違和感、痛みを感じていてそれを隠してプレーを続けていた。これまでのサッカー人生で怪我のような症状が出た時は何度もあったが、私は自分なりのケアでやり過ごしてきた。痛みを感じながら無理矢理プレーしたことも何度かあったが、自然と治っていってこれまで大きな怪我に至ったことはなかった。だからこそ、今回の怪我もきっと大丈夫だろうと高を括っていたのだろう。自分は絶対怪我をしないという謎の自信を元にケアを怠り、結果大きな怪我に繋がってしまった。アスリートとして一番気をつけるべきことをしなかった。シーズンが始まったばかりの大切な時期にサッカーが出来なくなり、チームに貢献出来ない悔しさや、すでに同期がトップチームで活躍していることへの焦り、前と同じようなフィーリングでもう一度プレーできるのかとか、怪我の再発が気になってプレーに集中できないんじゃないかという不安が押し寄せた。最初のうちは、ネガティブなことばかり考えてしまう日々だった。あの時やめとけば、あの時病院に行ってたら、あの時もっと自分の足を大切にしてたら。そんな言葉が頭を駆け巡る。後悔したって何も変わらないけど、ポジティブな気持ちに持っていくまでは少しだけ時間がかかった。
そんな時、暇だからサッカーを見ようと開いたDAZNで横浜F・マリノスGKポープウィリアム選手のドキュメンタリーがやっていた。内容を説明すると長いので省略しますが、すっごく要約するとプロで長年出場機会を得られなかったポープ選手が一度は死のうと思うほどの絶望を感じながら、そこから這い上がって横浜Fマリノス史上初のACL決勝へ導いた話だ。私はポープ選手のACL準決勝での再三にわたるセーブ、PKストップを見て震えた。川崎フロンターレファンの私はポープ選手がまだ出場機会を得られずに第3ゴールキーパーとしてフロンターレに在籍していた時に、この人がプロで活躍することはないんだろうなと偉そうに彼を評価していた。しかし、ポープ選手は自分のやるべきことを徹底してやり続けて、その結果クラブの歴史を動かした。自分もこんな生き方をしたい。これくらいのことで気持ちを落としちゃいけない。まだ自分に見切りをつけるには早すぎる。そう思った。そして、療養中に青学の試合やプロの試合、高校の同期の試合を見て自分もピッチに立って躍動したい、もっとサッカーが上手くなりたいというサッカー選手としての当たり前の感情が再び湧き上がった。そして何よりも大好きなサッカーをしたいという気持ちに駆られた。ドキュメンタリーひとつ見ただけで気持ちが上向く私はつくづく単純な人間だと自分でも思う。でもその単純さがあったからこそ、ネガティブになっていた自分を良い方向に持っていけた。そしていつのまにか憂鬱な日々はポジティブな日常に変わっていった。「もう一回頑張ろう」。
このブログ書いている今では歩けるようになり、練習にも参加できるようになった。このブログが出ている頃にはどこまで回復しているだろうか。復帰するまでにはまだ時間がかかるかもしれない。それでも、怪我する前の自分よりも少しでもパワーアップして戻れるように、今自分がすべきことをやり続けることにした。やるべきことを明確にして、目の前にある一つ一つをクリアしていってまた大好きなサッカーができるように頑張ります。
最後に、自分の怪我を治してくださった病院の先生、療養中に支えてくれた家族、友達、励ましのメッセージをくれたサッカー部の同期、大学の講義の手助けをしてくれた法学部のみんな、他にもサポートしてもらった方々に感謝を伝えたいです。本当にありがとございました。
拙い文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました!
2024/08/22 06:05