🔹引退ブログ🔹『財産』/中戸川知磨
「財産」
こんにちは。理工学部の中戸川知磨です。
高校3年の冬、初めて青学のグラウンドに足を踏み入れ、田場クリスティアン(今はただの研究員)のパスコンのパスの速さと肉体にビビった日から早や4年、選手としてのサッカー人生が終わろうとしています。そんな今、3回目の部員ブログを書くことになりこれまで「飛躍」、「プライド」とちょっとかっこいいことを書いてしまったので今回は何を書こうかと迷いましが難しいことは語らず僕の自慢話でもしようかと思います。
そこで題名は「財産」です。
現在提出締め切り日のam1:00。ギリギリの戦いですので拙い文章ではありますが最後まで読んでいただけたら幸いです。
「プロは諦めたってこと?」
就活の面接で一番嫌な質問これでした。聞かれる度、諦めたわけじゃない、新しい夢を見つけただけだと見栄を張りました。しかし本当は諦めました。16年間夢を追い続けた自分は「諦めた」と言いたくなかっただけです。
こんな時に考えたのが"夢を掴めなかった自分が得たものは何か"です。
結論からいうとそれは仲間と経験です。誰もが同じように思うことかもしれませんが自分の場合は心の底から自慢できる仲間を持ち、あまりしないような経験を本気でしました。そしてそれが自分の「財産」となったのです。
このように考えるようになったのは3年目のシーズン始め、プロを諦めたタイミングです。トップチームに上がり、やったろうという気持ちになった矢先の怪我で離脱、サテBに落ちた時です。ほんの数%の可能性を追うために田舎高校から大学サッカーに挑戦し夢を追い続けた結果がこれです。諦めた理由は2つ。1つがトップでプロと試合をした際に全ての面で圧倒されたこと。もう1つが治らない怪我と向き合いながらするサッカーは幸せじゃないと感じたことです。
正直、嫌になったんです。もう怪我で積み上げたものが台無しになるのは。
多くを犠牲にしながらも長年追求した夢は意外にもあっけなく自分から消えていった。
話を戻しますがこんな感じに夢を諦め、これまではプロになるためにサッカーをしていたものが急に目標を失い、残り1年半をどう過ごそうかと考え時、1番はやはりサッカーをやり切るってことでした。残り1年半はサッカーを楽しもうと決めました。
そうしているうちに気づいたのが仲間の存在です。プロになるわけじゃないのに毎朝始発でグラウンドに向かい、神田トレで身体をいじめ、多くを犠牲にするのになぜ頑張れるのか。考えた末出た答えが"共に戦う仲間、応援してくれる仲間、違う場所で頑張っている仲間がいたから"です。これはサッカー仲間に限らずです。
自分の周りには本当にエネルギーをくれる人たちがたくさんいたのです。いつまでも応援してくれる人がいたり、自分を見て新たな挑戦を始めたと言ってくれた人もいました。これまでは自分のためにサッカーをしていましたが、この時からはこれまで支えてくれた人たちのためにサッカーをしました。自分が頑張ることで誰かのエネルギーになればと思い、これまで通り必死に走れました。
これからも一生、過去の仲間は自分にエネルギーをくれる存在になり、自分が頑張る理由にもなると思います。小中高大とどうしょもない仲間ばかりでしたが大切な財産なんです。
そしてそんな仲間と味わってきた歓喜や絶望、そういった経験は今の自分を形成するものであり今後の生きる糧となりました。中学では初めての挫折を経験、高校では嫌われるうざったい部長をやり、大学では底辺スタートからの1年間の長期離脱、それでも追った0.01%程の夢。サッカーを通じて経験したことは全て自分の財産です。
最後になりますが自分は本当に仲間に恵まれたサッカー人生でした。夢は叶わなかったけれど、得たものは大きなものでした。
そして、この財産にもなった仲間と経験を与えてくれたのは家族です。家族のサポートがあってこその今です。たくさんのものを与えてくれた家族には、これからは僕がたくさんのものをあげちゃいます。
自分からサッカーがなくなると思うと少し不安ではありますが新たな目標に向けて頑張りたいと思います。そして誰かにエネルギーを与える、そんな人間になりたいです。
ありがとう山北
ありがとう西湘
ありがとう青学
ありがとうサッカー
2023/12/12 19:34